作成過程

房州うちわ(ぼうしゅううちわ) とは、江戸時代から続く、日本の伝統工芸品です。千葉県南部房州に生えている良質な女竹を使い、1本1本手作業によって作られています。実際に手に取っていただくと、その美しさや、作り方の面白さを感じていただけます。本ページでは、房州うちわの作成工程を1からご紹介します。うちわ作り体験では工程の最後の仕上げの部分を主に作業いただきます。その前工程でも数多くの作業があります。作成過程に思いを馳せながら、うちわ作り体験に参加いただけると、よりうちわへの想いが増すことになります。

1.竹取り(たけとり)

山に女竹(篠竹)を取りに行きます。和楽器の「篠笛(しのぶえ)」に使われているものと同じ種類の竹を用います。

取ってきた竹を、長さをそろえて切ります。

2.皮むき(かわむき)

切った竹の皮をむきます。皮をむいた後の状態です。

3.洗い(あらい)

竹の汚れを取り、洗いおとします。

洗い終わった竹です。

4.乾燥(かんそう)

洗った竹を束にして、3~6か月間乾燥させます。

5.割き(さき)・もみ

うちわの骨になる竹を、40~60分割します。本数はうちわの大きさや、竹の太さによって変わり、平均で48本程度となります。糸の巻いてあるところまで割きます。

割いた竹をこすり合わせて、骨の角を落とし、なめらかに仕上げます。

6.穴開け(あなあけ)

ドリルを使い、うちわの支えとなる「弓(ゆみ)」を通す穴を開けます。

7.柄詰め(えづめ)

持ち手部分の空洞(竹の内側)に柳の木を詰めて、強度を上げ、虫が入るのを防ぎます。

8.下塗り(したぬり)

柄の下、柳を詰めた所に装飾の下地を作ります。膠(にかわ)と胡粉(ごふん)を混ぜたものを用います。

9.上塗り(うわぬり)

下塗りの上に漆(うるし)系の塗料を塗ります。

10.編み(あみ)

うちわの骨に糸を編み込みます。

11.弓削(すげ)

うちわの支えとなる弓(ゆみ)を、真竹(まだけ)を使い、小刀で削って作ります。

弓削(すげ)の作成順序を示した写真です。左から右のように加工していきます。

12.弓通し(ゆみとおし)

「6.穴開け」にて開けた穴に、「11.弓削(すげ)」にて真竹で作成した弓(ゆみ)を通します。

13.下窓(したまど)

うちわの形を整える前の下準備です。骨を均等に開いていきながら、糸を張っていきます。次の工程(本窓)の写真と見比べていただくとわかりやすいです。

14.本窓(ほんまど)

弓(ゆみ)に編んだ糸を結び、弓状にして糸を張り、うちわの土台となる形を作ります。

15.しつけ

骨が平らな面になるように、しつけ用の「竹ひご」を通します。

16.穂刈り(ほがり)

余分な部分を切り取って、うちわの完成形に近づけます。

17.焼き(やき)

「15.しつけ」を安定させるために、熱を入れる「焼き」をすることで、平らな面を作ります。

18.貼り(はり)

骨にのりを塗り、表面と裏面に紙や布を貼り合わせます。

19.乾燥(かんそう)

のりを乾かします。あと一息で完成です!

20.断裁(だんさい)・へり

断裁:「19.乾燥」の際にとび出している余分な骨を切り落とします。

へり:うちわの周りに「へり紙」をのりで貼っていきます。うちわの仕上げと補強の役目を持っています。

21.完成

完成です! 柔らかく、涼やかな風を感じてください!

上記のうち、18以降の工程については、白間津花のパーキング店にて実際に体験いただけます!

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